このブログも大分間隔が空いてしまったのでまた1から綴っていくような感じで始めようと思う。
今所有しているクルマは2台有って、このブログのタイトルにもかけているイヴォーク・コンバーチブルとフィアット500xの2台である。どちらも少し斜に構えたチョイスであるという自覚はある。

Land Rover Range Rover Evoque Convertible
世の中のSUVブームの先駆けの一つになったイヴォークをコンバーチブルで。あぁニッチだ。。
洗車場にて。因みに当方は普段晴れ男なのだが、洗車をするとかなりの高確率で雨になる。
酷い時は天気が良い日に洗車していたら突然ゲリラ豪雨 に襲われたことも一度や二度ではない。

FIAT 500x Cross
世界的に人気の高いシティコミューター"500(チンクエチェント)"のSUV版、500x。
実は中身に共通点はなく、むしろ兄弟と言えるのは同じFCAグループの
"Jeepレネゲード"とシャシー、エンジン等を共有する。
と言った感じで今は2台のクルマを所有している。
しかし、長らくセダンやハッチバックを乗ってきた自分にとって、何故そこまでSUVが持て囃されるのであろうと思っていたが、それには日本のクルマ事情もあるんだろうなと思うようになった。
少なくとも自身が子供の頃、80年代くらいまで乗用車の多くはセダンやクーペが主流で、背の高い車と言えば商用車がメインだった。バスとかトラックとかそのくらい。だからセダンでも今より視界は開けていたし、そこまで気にならなかった。だが、現在の日本の主流は「ほぼトールワゴンかミニバン」だ。軽乗用車でも全高が1.8m位あるのはザラである。だからそれまでのセダンやクーペで街を走ると、囲まれ感(スポーツカーのインパネの話ではない)が凄く、兎に角見えづらいのだ。特に混雑時の信号は注意なく前の車に付いていくと、赤信号になっていることもまま有ることだと思う。
昔なら前を走る乗用車もせいぜい1.4~5mだったものが、2m近いのが当たり前になればそりゃあセダンでは視界は開けない。だからSUVの台頭というのは必然だったような気もする。家族が多くなく、スタイル的にデザインされたクルマを乗りたいが、とは言えセダンではどうも目線が低くて視界が悪い、それを体よく解決してくれるのは間違いなくSUVなのである。
だからフィアット500xみたいな小型車でもSUVだと視点もそこそこ高くて囲まれ感も少ないし、それでいてサイズも程々なので街乗りもしやすいという事を、SUVに乗って良くわかった。当初は「4WDでもないのに・・・」と思ったものだが、SUVへの需要は、世の中のクルマ事情の変化がもたらした必然でも有るんだなと、所有して理解できた。
そんな感じで、今までSUVと無縁だったのに、乗り始めたら2台共SUVになってしまって、それはそれでやり過ぎかなと今は思っていたりもするのだが、それぞれのキャラクターはかなり異なるので、用途を考えながら今後どうしていこうかと思っている。
とは言え、端的に言えば今所有している2台は、僕の車に対するフィロソフィ?からはかけ離れていない。1つはレトロカーへの情景から始まった自身のクルマに対する憧れを現代的に具現化したもの。ミニにはクラシック、R52(初代BMWミニ・コンバーチブル)、R55(2代目BMWミニ・クラブマン)と3台お世話になった訳だが、クラシックミニからBMWミニに乗り換えたことによりクラシックカーのプリミティブさ、また現代車の進化の素晴らしさを深く理解できた訳だ。金属のシャシー、ボディをレシプロエンジン等を動力にして走らせるという基本はここ100年近く変わっていなかった(近年動力はEV等への移行期だが)のに、運転しやすさ、安全性、テレマティクス、運転補助(自動運転)などは大きな飛躍を遂げてドライバーに恩恵となっていることをクラシックからBMWミニへの乗り換えで強く感じたのだ。
要するにクラシカルなスタイルを継承しつつも、その実は現代のテクノロジーで支えられているクルマ、そういう都合の良いクルマって素晴らしいなと思うに至った訳だ。その代表格がミニであったり、フィアット500やビートルなんだろうと思う。何ならポルシェ911もスタイルやRRというフィロソフィを維持しているし、メルセデスGクラスもそう言えるのかも知れない。
またミニとフィアット500の過去と現在については別に書いてみようと思うけど、そんな感じでフィアットは一度乗ってみたいクルマで有ったが、ちょうどその頃家族で運転できてそこそこ積載しやすく、女性にとっても好感の持てるデザイン(奥さんが乗るという前提も踏まえ)、大きすぎないクルマというのを模索していたので、ミニ・クロスオーバーやルノー・キャプチャーとかも試乗したりしていたのだが、実は装備や性能、セーフティがライバルに対してかなり値ごろ感もあり、デザインや500(チンクエチェント)という知名度も勘案して500xをチョイスすることになったと言う訳。兎に角ミニは標準だとシートもちゃっちいし、シートヒーターも付かない(当時は確かグレードによってACCとかもオプションという有様)、必要や有用と思えるオプションパッケージを付けるとびっくりするほど価格が跳ね上がるという状態だったし、通算4台目のミニを買うなら、ジョン・クーパー・ワークスとかコンバーチブルとか、余り他に無いグレードを本質的には選びたかった。ルノー・キャプチャーはモデル末期で、カラーとかも殆ど残ってなかったし、そもそも日産との兼ね合いなのか日本でルノーって余り真剣に売っている様子がないので遠慮することにした。
まとめると、フィアット500xは自身が好む、名車の面影を残しながらも基本的には現代にアジャストしているクルマの一つなので、特に乗りやすいとされる500xは「初めてのイタリア車」としても与し易かったのである。
もう一方のレンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルだが、これは出た時からずっと憧れていたモデル。SUVクーペとでも言うべきイヴォーク自体もデビュー時はセンセーショナルだったし、その後のプレミアムSUVブームの先駆けどころか礎を築いたと言っても過言でないほどのヒット作だ。正直これがヒットしたことが後のジャガー・ランドローバーの復活に大きな影響を与えた。
ただ、何よりも刺さったのはコンバーチブルだった。SUVでコンバーチブルなんて何と個性的な!みたいな論調が出ていたし、確かに現在ではそうなのだ。今現存するSUVのコンバーチブルは少なくとも日本には無い。実はSUVとしてはVWのT-ROCにカブリオレが有るのだが日本導入はされていない。あと、ニッサン・ムラーノにはクロスカブリオレと言う素晴らしく格好良いグレードが有ったが、日本には導入されなかった。既にムラーノ自体も正規の日本販売からは撤退している。


日産ムラーノ クロスカブリオレ
北米のみで販売されたというムラーノのソフトトップ。閉めても開けても美しいデザイン。
もし日本で出ていたら手を出していたかも知れない。スカイライン・クロスオーバーとかも派手さはないが
近年の日本車には無い良いデザインだった。2000年代の日産のデザインはルノーと親和性が有って結構好き。
そんなニッチな存在であるオープンSUVであるが、元を辿ればそもそもソフトトップのオープン車をラインアップに用意していたのはむしろ4WDの方だったのでは無いか、と言うことである。三菱ジープやジムニーにはその昔、幌仕様のモデルが有ったのである。何ならドアも幌のモデルですら有った。僕は子供の頃、父が所有していた2ストの幌モデルジムニー(SJ30)が大好きだった。ジムニー自体は小さなクルマなのに幌を開けると空間は無限に広がる、それで居てバイクのようなスリリング(それがバイクの良さなんだけど)さはなく優雅にオープンエアーを味わえてしまうあの原体験が自身のオープンカー好きに間違いなく繋がっていったと思う(だって自分で買った2台目のクルマがミニ・コンバーチブルという位オープンに飛び込むのは早かったもの)。
そんなジムニーでの原体験と英国車好きな要素がミックスされ、レンジローバーとしてのブランド力もあるイヴォーク・コンバーチブルは最初に見た時からかなり心を惹かれていた。また、現代的な"コンバーチブル"としては、自身も過去にミニ・コンバーチブルとVWイオス(ハードトップ)を経験しており、所謂「4座オープンカー」の善し悪しをそれなりに理解しているので、踏み込むのは余り怖さと言うか躊躇もなかったというのはある。
特にミニ・コンバーチブルとの共通点が多いのも再びオープンカーを欲しくなった理由の一つである。ミニ・コンバーチブルはとても良くできたオープンカーで、オープンユニットも二段階で開いたし、ミニのフォルムを崩さないように幌も結構立っていたのでリア含めヘッドクリアランスも意外と有ったから窮屈でしょうがないという感じも無かったのだ。そもそもR50代の初代BMWミニは今よりサイズも小さかったし、リアのフットスペースはクラシックミニより狭くて、結構フロントシートを前にスライドさせないととても大人が足を入れることは出来ないクルマだった。だからハッチバックとコンバーチブルでもリアスペースは五十歩百歩というか大差も無かったのである(荷室はまた別だが)。
何よりミニ・コンバーチブルは最高にポップで優れたデザインが大好きだった、オープンにしたときの
またイヴォーク・コンバーチブルについてはこれから色々書いていくが、ハッチバックベースの幌型4座オープンであるイヴォーク・コンバーチブル、実はミニ・コンバーチブルと結構共通点もあり、ここで自身のオープンカー好きかつ英国車という部分が満たされるのでデビューした時から心惹かれる訳なのだ。まぁ細かいユーザビリティは真の英国車?らしくドイツ人の知恵が介入しているミニより大雑把だし、ランドローバーブランドのSUVとしての堂々としたスタイルは、ミニとは異なる点も有るのだけど。
ダラダラと書いてしまったが、要するに自身の2台のクルマはミニ・コンバーチブルを手にする事で得た「ネオクラシカルながらも今様な乗り方や安全性が確保され、かつオープンである」と言う自身の嗜好を2台に分けたと言えるのだ。
そんな2台との奮闘記をこれから紹介していければと思う。また、よろしくお願いいたします。
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