-JLR新作ラッシュの中でひっそりと咲く良質ラグジュアリー・サルーン-

まだ始めたばかりのブログだけど、今年もよろしくお願いします。

2015~2017年辺りのジャガー・ランドローバーはこれまでに無い新作、モデルチェンジラッシュだった。ざっと挙げても以下のような感じ。

☆新車種☆
・ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ(2014年~、日本には2015年から) C,Dセグメント・SUV ※フリーランダーの実質後継
・ジャガーXE(2015年~) Dセグメント・サルーン
・ジャガー F-Pace(2016年~) Dセグメント・SUV
・レンジローバー・ヴェラール(2017年~) D,Eセグメント・SUV
・ジャガー E-Pace(2017年~、日本には2018年から) Cセグメント・SUV

☆モデルチェンジ☆
・ジャガーXF(2015年~) Eセグメント・サルーン
・ジャガーXF スポーツブレイク[ワゴン](2017年~) Eセグメント・ステーション・ワゴン

こんな感じでここ2年位でこれだけの新車種やモデルチェンジが行われている。更にはここまでも多く触れているが、ジャガー・ランドローバーとして久々の自社開発エンジンである最新モジュラーユニット"インジニウム"が先ずディーゼル(2015年)、追ってガソリン(2017年)とリリースが続き、これらが、モデルチェンジと関係なく既存のジャガー・ランドローバーの2Lモデルを次々置き換えていき(例えばイヴォークはそれまでのフォード系エンジン、2Lガソリンと2.2Lディーゼルをインジニウムの2Lガソリン、ディーゼルに置き換えた)、それらもほぼ終わったところだ。

これはジャガー・ランドローバーの企業規模やこれまでの展開を勘案するとかなりドラスティックな動きで、今までにも無かったと言って良い。今のJLRはタタ体制以降の大きな勝負に出ていると考えて良いだろう。ただ、これだけの展開が出来るのは勿論資金力が付いたこともあるけど、大きいのはベースとなるモジュラーエンジン、プラットホームの開発が出来たことだろう。ガソリン、ディーゼルのパーツを共通化し、なおかつ2Lで出力も200~300馬力位まで過給器で調整できるエンジン、XEのようなセダンからF-PaceのようなSUVまで共通のシャーシベースで共有できるプラットホーム。これによって一つのベースで幾つもの車種を作り出すことが出来るようになった。そしてこれが現代の自動車メーカーの潮流でも有る。そこにJLRも乗ったのだ。

この流れ、偶然か必然か分からないが、ボルボと本当によく似ている。ボルボもジャガー・ランドローバーもフォードグループ以降は時間をかけてここまで来たのだ。そしてそれを支えているのが中国(ボルボ)とインド(ジャガー・ランドローバー)というアジアの新興国なのもまた現代的である。

毎度話が逸れてしまうが、今日の本題はジャガーの現在(いま)に至る礎となったラグジュアリー・サルーン「XF」の話だ。僕の乗るXEよりはワンサイズ上、要するに"Eセグメント"呼ばれるゾーンに属するモデル。わかりやすく言えばライバルはメルセデスEクラス、BMW5シリーズ、アウディA6となる。

jaguarxf.jpg

XEとプラットホーム共有化された2代目は見た目こそキープコンセプトだが、中身は刷新され、お得意のアルミ75%シャーシとなる。初代XFは見た目こそ今につながる新しいジャガーの提示第一弾となったが、シャーシはフォード時代のSタイプのものを流用していたり、エンジンも特にダウンサイジングな時代に合致したものでもなかった。モデル後期にはフェイスリフトや、直噴ターボの採用など、変えられる部分は年次改良も含めてどんどん変えていき、今に繋がるジャガー像の橋渡しをしたとも言える。その過程を受けての二代目XFと言うことになる。

前回のXEガソリンの試乗記?と同じく僕が代車で借りたXFは実質フォードのエコブースト2Lガソリンエンジンを搭載したモデルとなる。但し、XFの場合、ガソリンモデルのローワーグレードは240馬力のハイパワーバージョンのみ(だった)。それが"25t"になる。

だったという事から伝わるかもしれないが、現在、来年から本格的にガソリンモデルもインジニウムに置き換わりと言うのは毎回触れているが、XFにもPUREというエントリーグレードが追加され、更には200馬力のモデルも登場する。BMWで言えば今まで528iしか無かった所が523i(本当はこれ、ドイツでは520iなんだけどね)も追加されるといった所だろうか。

だからXEガソリンの時と同じようにエンジンフィールは来年以降新車で購入する人には参考にならないかも。中古や在庫車を安く買おうと考えている人向け、と言えば良いのかな。ただ、今回はエンジン云々よりは普段XEに乗っている自分から見たワンランク上のモデルが持つ意味という事について主に書こうかなと思う。エンジン自体の特徴は前回のXEガソリンモデルの項で長所、短所について触れているので気になる方はそちらを。

・ジャガーXF Prestige 25t 2000cc 直4直噴ターボ 240ps/5500rpm 34.7kgm/1750rpm

良くXEとXFは区別が付かないほど似てると言われている。確かにパッと見はその通りで、意図的な気すらする。何故かと言えば、今はイアン・カラムの提案した「新しくモダンな英国車像としてのジャガー」をアピールしている最中と言えるので、基幹モデルの顔つきを敢えて似せてイメージの浸透を図っていると想像出来る。だから、XE、XF、XJ、F-Paceは本当に良く似ているし、スポーツカーのF-Typeのみ少し顔つきが異なっていたが、そこに敢えてコンパクトSUVのE-Paceを寄せて、ジャガー全体でブレないように腐心している。

だが、良く見れば細かく違う。特に毎日XEに乗っている身なので分かりやすいのかもしれないが、フロントライトの切り欠きが逆だったり、テールランプの半円デザインがXFでは2つ、XEでは1つとか(更に更にテールにクロームラインが入るのもXFのみ)だ。まぁ何よりも横から見ると長さが結構違うし、やはりサイズが大きい分XFの方が伸びやかでエレガントだ。クーペスタイルなのも共通では有るが、リアが寸詰まりっぽいXEに対して、XFは高級サルーンの証?でもある所謂"6ライト(リアドアの後ろ、Cピラー部分にウィンドウがある)"なのでリアシートへの配慮も外から伝わる。XEも一見6ライトっぽいのだが、実際はリアドアと一体だ。

中に乗ってもやはり広々している。まぁ全長5m弱、全幅1.9m弱の車が狭かったら困ったもんだが、サイズ以上にタイトさを強調しているXEと比べると、ダッシュボード付近も含めて広々感のあるデザインをしている。リアシートも偉い人が座るのにぴったりな雰囲気だ。

XFのダッシュボードはアルミパネルがドアサイドまで広がる独特のデザインで、最近のジャガー(XEやF-Pace)の傾向と少し違う。つまり初代XFから引き継がれている部分が見受けられる。エンジンをかけると空調の吹き出し口が回転して開くのもキープコンセプト(以前と違い、サイド部分のみになったが)。この辺りは乗り換えのユーザに配慮してという部分も有るのだろう。何せ今のジャガーで2世代以上続いている、若しくはそれが確実なのはこのXFとモデルチェンジを控えているフラッグシップのXJしか無いのだから。

実はこのダッシュボードデザイン、写真で見たりする限りは余り好きになれず、せめてウッドパネルとかも選べたら良いのにとか思っていた。何というか、アルミばかり主張して色気がなく、さめざめしているように感じていたのだ。だが、実際に乗り込んでみると、XEで足りなかった質感(ソフトパッドやレザーのあしらい方等)もちゃんと全体でカバーされているし、ちょっと他には無いデザインなのでこれはこれで新しい高級感は有るのかなと思った。

xfint01.jpg

メーター部分もいち早く"デジタルメータークラスター"と呼ばれるデジタル表示とナビ表示等を可能にする今流行り?の液晶化が成されている(XEも2017年後半モデルから既にデジタル化された)。これが期待していたより見やすく、地図にも出来るのには結構感動した。何か新しものっぽくて悪くない。僕のXEではInControlをアップグレードしても出来ないので少し羨ましい。これからXE買う人には付いてくるのでご安心を。

乗り始めて分かるのが遮音の確かさ。前回XEガソリンの話で書いたとおり、フォード由来エンジンは余り静かではない。だのでその音が少々気になる所なのだが、XFの場合、遮音が確かなのでそういった外部の音が気にならない。良く見てみると、ドア部分の遮音が、内側の閉まる部分だけでなく、ドアの端(ドアエッジとでも居言えばよいのか)部分も遮音用のゴムが裏側に付いていて、これは今まで自分が乗ってきたクルマには付いていたことがない。流石XF、というかEセグくらいになるとこの辺りまで気遣いされているのだと知った。乗ってないので想像では有るが、これだけの遮音が効いていればディーゼルでも全く気にならないだろう。

走りは借りたのが240馬力の25tだったので、やはり余裕を感じるし、このサイズにはこのくらいのパワーが欲しい。足回りもホイールベースの長さも手伝ってXEより滑らか。サイズはデカいのだが、思ったより見切りも良くて運転もしやすかった。勿論絶対的なサイズはデカいので細い道では気をつけたほうが良さそうだが。

自分はやはりミニで育った人間だし、基本的にコンパクトなクルマが好きなので、Eクラス、5シリーズ級のモデルになると大きいなと思ってしまい余り惹かれないのだが(そもそもこのクラスくらいになるとエントリーグレードでも高くて手が出ない)、ワンサイズ上のクルマに乗るということは、単に大きくて人が乗りやすいという事だけではなく、価格相応のプレミアム感も上がってくるのだなと感じた。まぁ700万以上出して買うようなクルマだったらそれくらいユーザの要求も高くなるか。

ジャガーにとって久々の普及車だったXE、そして初のSUVであったF-Paceの話題に埋もれがちでは有るが、このXF、このクラスのクルマの選択肢としては十分有り得る良いクルマだと思う。

最近"スポーツブレイク"と呼ばれるワゴン・モデルも登場した。正直ワゴン好きにはこのクルマに興味津々ではある。初代XFでもスポーツブレイクは存在したのだが、日本への導入は見送られてしまったので(どうやらDuratorqエンジンのディーゼルしか設定が無かったためらしい)XFならワゴンに乗りたい。

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