ミニも含めて、BMW系に乗って長いせいだろうか、知らず知らずの内にBMW式に慣らされて育っている。それが使いやすいかづらいかは置いておいても、慣れてるので自分的には使いやすいのだ。それか気が合うんだろう。実際VW EOSには4年くらい乗ったのだが、何処かインパネがしっくり来なかったり(デザインありきで配置がメチャクチャなミニの方が慣れればこなしてた)、何となく足回りのマナーがBMW系と違うのでコーナリングが気になったのだ。勿論VWのクルマって当たり前のように使いやすく出来てるので、EOSのせいではなく、こちらの問題なんだろうけど。
その最たるものがiDriveで、これは素晴らしいインフォテイメントシステムだと思っている。とにかくメカ感の強い操作ボタンが慣れてしまうと使いやすい。全然見なくても操作できるし。強いて言えばナビでフリーワードをコントローラ上のタッチパッドから一文字づつ書くわけも無いし、ピンチイン・ピンチアウトは出来ない(F世代の3シリーズはタッチパネルではない)、ナビの場所移動もコントローラでしか出来ないなどウィークポイントも有ったりするのだが、何となくメカ好きなら慣れてしまえるような、そんな良さがiDriveには有る。
そして、ジャガーのインフォテイメントシステム、InControlだ。これは色んな意味で悩ましい。先ず「クルマでタッチパネルって使いやすいのか?」という原理的な疑問だよね。基本的に空調やナビの操作は止まって安全な時にやる、それはアタリマエの事として分かっては居るけど、それでも、例えば寒い日の夜にさっと車で出かけます、暖房が効く前にシートヒーターを付けましょうってなった時、ミニやBMWなら位置やタッチ感を覚えているから見なくても出来るわけ。似たような話でラジオのボリューム調整とかも見なくても出来るし、運転中に音量を変えるなんてザラに有るでしょう。まぁその手のオーディオ操作はBMWもジャガーもハンドルに操作系が有るから今はそれで問題ないわけだけど、たとえ停車中でも、インフォテイメントに集中しないといけないタッチパネルだけのインターフェイスって、やっぱりクルマにはどうなのかと思うんだよね。画面サイズを稼ぐというスマホと同じ理由も有るんだろうけど。
でも、その画面サイズを全く活かせない
パッと見は中々雰囲気と存在感のあるInControl Touch Pro、今のジャガー・ランドローバーの多くにはこれが導入されている。画面もきれいだし、一見操作系も分かりやすそうで、ナビは馬鹿、大事な機能が足りないという悩ましい発展途上インフォテイメントシステム。
因みに初期導入時はInControlではなく、独自の簡易なインフォテイメントシステムで、画面サイズも8インチだった。この初期システムは画素こそ荒くて見てくれはイマイチだったのだけど、ナビも2画面表示が出来て、音声コマンドにも対応し、案内精度も日本のナビのアベレージくらいは行っていたのだ(恐らく反応速度から察するにDVDナビなのだろうが)。それと比べると、InControlのビルトインナビはSSDナビかつ10インチのワイド画面で、画素も精細で表示も美しいのだが、二画面表示、音声認識(英語では対話機能に対応してるらしいが)は出来ず、更には案内精度が酷い。馬鹿みたいに裏道の右左折多めルートとか普通に案内してしまう。
結局近年だとナビは地図のアップデートも含めてスマホ、タブレットのほうが早いので、ざっくりと使うならGoogleマップで事足りるし(それが気に入らなくてもいくらでも有料、無料のスマホナビは存在する)、音声認識(検索)もネットも絡ませて精度が高いのでそっちをと言う人が多いだろう。現にVWのインフォテイメントシステムは遂にスマホのGoogleマップを車内の画面にエクスポート出来るようになった訳だし。
とは言え、やはりスマホだと回線が切れた所でどうするとか(これも有料でオフライン動作するナビを使うという手も有るけど)、VWみたいな連携が無いのなら、これだけ立派な画面が有るのだから活用したいと思うことだって有るだろう。しかし今のところInControlにはそのような連携は無い(JaguarAppsの今後には期待したいが)。
ちょっと話がずれるけど、そもそも車のナビに対して、僕は10年位前から旧態依然な感じがしていたのだ。考えても見ればiPhoneが出た頃、いや、もっと前のPDAの時代からそうだったけど、何故クルマって30万も40万もするたいそう高価なナビを一生懸命オプションで選んだり、後付で買わないと駄目みたいな風潮が有ったのだろうと当時から思っていた。更にそれをアップデートするにはまた高額を払わされるのである。
既にスマホが定着する前から、ネット経由でアップデートできるアプリなら、それらは簡単だし、そもそもソフトウェアだって自由に選べるわけだ(PCでもスマホでもマップソフトなんて無数に有るわけで)。なのに(特に日本では)それがとても遅れていたと思う。結局こんなのは利権絡みで、簡単にナビやら操作システムをスマホに取って代わられたらメーカーは困ってしまうからプレッシャーをかけていたとしか思えない。だが、結局Googleと大手IT企業が段々ナビとかにも力を入れてきたので、結局ユーザがスマホなりを代替えに選び始めて、更にはVWグループがインフォテイメントシステムとの連携も進めてしまったので力負けし始めただけのことに思える。
ナビのことがそうなのかは置いておくとしても、日本って利権やしがらみのせいで出遅れることが多いと思う。技術や緻密さはどの国よりも優秀なのに、中々パイオニアに成り得ない。逆に独自技術は普及が下手(利権は幅を利かせる割にロビー活動は上手くない)だ。結局根底にある保守的な発想が邪魔をしてるんだと思う。故にガラパゴスになりやすい。燃料電池車(FCV、水素が燃料のアレ、トヨタMIRAIね)はどんな道を辿るんだろう。EVがヨーロッパでは主流になりそうな気配だが、さて。
閑話休題、InControlシステムの話だった。とにかく現在もアップデートが続いてるようなので、機会が有ればシステムアップデートをディーラーにお願いするつもりだが、まだ試行錯誤は続いてるようだ。XEに関しても日本導入直後から以下のような遍歴を経ている。
XE導入初期:InControl未導入、サイドに操作ボタンの有るナビを中心としたシステム(DVDナビ) → 2017年モデル:10インチのInControl Touch Pro導入(SSDナビ、僕のはこれ) → 2018年モデル:更にバーチャルインストルメントクラスター化(最近流行りのデジタルメーター+ナビやインフォメーションをメーター部分にフル表示出来るやつ。XF以上には先んじて装備されていた)
機能としてもSIM+WiFiによる車内ホットスポット化や、InControl Appsとの連携によるスマホ画面の表示などアップデートは続いている(恐らくこれが強化されるとGoogleマップの表示も時間の問題かも)。だので、今が駄目なだけで、どんどんブラッシュアップされていくだろう。新しいもの好きは意外と損をする。
今のところ、唯一評価してるのがデジタルTVが標準装備なこと(フルセグ、ワンセグ自動切り替え、結構切り替わりまくって見づらいが)。実はBMW3シリーズはTVチューナーはオプションです。残念ながら僕はほとんどTV見ないんだけどね。。
機能、精度は良くなっていくのかもしれない、しかし、やっぱりタッチパネルってクルマで使いやすいのかなぁという根本的な疑問は拭えない。
せっかく直近でBMW3シリーズ乗っていたので、次は比較になるような話をしようと思う。
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